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工場長の製作日記 117ページ目
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2026年10月28日(水) 『御神体をお納めする「木曽檜製の御霊代箱」の製作』
今回ご紹介するのは、御神体をお納めするための特別な木箱です。
これまで数十年にわたり大切に使われてきた木箱が経年により劣化してきたことから、この度、新調のご依頼を賜り、新しく製作させていただくこととなりました。
素材には、美しい総木曽檜を使用しています。
木箱自体の美観を損なわないよう、角の接合部分は「四方留組(しほうとめぐみ)」という技法を用い、すっきりと仕上げました。また、前面の上下スライド式の蓋には、板の反りを防ぐための役割も兼ねた「飾り板」を施しています。
今回の木箱は「外祭宮」へお納めするものですが、実は、蓋の開閉の硬さを調整する作業が非常に繊細で、職人の腕の見せ所となります。
箱自体の大きさは10数センチと、手のひらに収まるほどのコンパクトなサイズです。 箱の本体に細い溝を掘り、そこに蓋となる板をはめ込むのですが、そのはまる量はわずか4〜5ミリ。 この限られた厚みの中で、板の反りや、季節・湿度による木の膨張をあらかじめ計算しながら、コンマミリ単位の調整を進めていきます。

蓋を緩くしすぎると隙間が大きくなって見た目の美しさが損なわれ、逆に隙間をなくそうときつく合わせすぎると、今度は開閉ができなくなってしまいます。
「美しく、かつスムーズに開閉できる」という両方の条件をぴったりと満たす絶妙な加減を見極めること。 これが、宮忠の職人が長年培ってきた経験と技術です。
これからまた何十年もの間、大切な御神体を納めるので一つひとつ心を込めて仕上げています。
