〈常若〉という1300年続く和のサスティナビリティ
歴史、自然環境、アート、医学・・・新たな視点で考えるレクチャー
Tokowaka Meeting from Ise〈TMI〉
何も塗装されていない桧の素木、野山から刈ったススキを用いた茅葺屋根。屋外で雨風にさらされれば、当然朽ちてゆく。それを自然と捉え20年ごとの建て替えを繰り返し、1300年間瑞々しさを保っている伊勢神宮。
そこには、「常若・Tokowaka」という考えが根底にあるといわれている。古材は鳥居や全国の神社で再生され、伊勢神宮を囲む広大な森では200年計画で桧が育てられている。
世界中でサスティナビリティが問われている現在、この「常若 ・Tokowaka」をキーワードに、歴史、自然環境、アート、医学・・・など、各方面のスペシャリストを迎え、新たな視点で考察するシリーズ
Tokowaka Meeting from Ise〈TMI〉 vol.1
ゲスト講師:千種 清美 ちくさ きよみ
文筆家・皇學館大學非常勤講師三重県津市生まれ。NHK津放送局630ニュースアシスタント、三重の地域誌『伊勢志摩』編集長を経て文筆業に。新幹線車内誌『月刊ひととき』に「伊勢、永遠の聖地」を8年間にわたり連載。伊勢神宮の式年遷宮については、遷宮諸祭も含めて、平成5年、25年の2回にわたり詳細に取材し、遷御の儀では式年遷宮広報本部によるインターネット動画配信の司会進行を担当。伊勢神宮、祭り、歳時記など日本文化についての講演や執筆活動を行う。
Tokowaka Meeting from Ise〈TMI〉 vol.2
ゲスト講師:三浦 豊 みうら ゆたか
森の案内人・庭師 https://www.niwatomori.com/1977年京都市生まれ。日本大学芸術学部で建築を学び、2010年より森の案内人になった。今まで訪れた森林や自然の名所は3000ヶ所以上。日本全国やWEB上で、森林の営みの解説、庭園や自然の名所の案内を行っている。また2020年9月からオンラインサロン「 みんなの森のサロン 」も行っている。著書に『木のみかた 街を歩こう、 森へ行こう』( ミシマ社 )。
Tokowaka Meeting from Ise〈TMI〉 vol.3
ゲスト講師:桐村 里紗 きりむら りさ
医師 / tenrai 株式会社 代表取締役CEO https://tenrai.co/最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積んだのち、食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修、プロジェクト監修を行なっている。
人口最少県・鳥取県に拠点を移し、株式会社SC 鳥取(ガイナーレ鳥取)と共にソニーコンピューターサイエンス研究所の研究する協生農法(拡張生態系)の圃場を開き、人口最小の町・江府町にて自治体と共にプラネタリーヘルスの社会実装を試みている。
東京大学大学院工学系研究科・光吉俊二特任准教授による人工自我研究をもとにした社会課題を解決するポストデジタル数理・四則和算の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍している。
新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が重版を重ねて話題。
Tokowaka Meeting from Ise〈TMI〉 vol.4
ゲスト講師:ロジャー・マクドナルド Roger McDonald
アートプログラム・ディレクター / キュレーター東京生まれ。8歳から英国で教育を受ける。大学で国際政治学を学び、オーストリアにある欧州平和研究センター(European University Center for Peace Studies)で半年間、平和学を学ぶ。その後、カンタベリーにあるケント大学大学院にて宗教体験と神秘学を専攻、サイケデリック文化や禅と芸術について研究を行う。博士課程では『Outsider Art』の著者ロジャー・カーディナルの指導のもとモダンアート絵画と神秘主義(特に禅とアメリカの画家マーク・トビー)について研究する。この頃(1990年代半ばから末にかけて)、広島県にある神勝寺の国際禅道場にて2年連続で夏の修行をしたほか、シャーマニズムの研究者テレンス・マッケナのワークショップにロンドンで参加する。大学院修了後、1998年に日本に戻り、インディペンデント・キュレーターとして活動を開始、アーティストたちとともに展覧会やイベントをつくる。2001年に仲間たちとAITを設立、翌年にNPO認定される。AITではおもにアートの学校MAD(現・TAS*)のプログラム・ディレクションを行う。また、2003年から2013年まで東京近郊の美術大学で非常勤講師として教鞭をとっていたほか、2001年の第一回横浜トリエンナーレでアシスタント・キュレーター、および2006年のシンガポール・ビエンナーレでキュレーターをそれぞれ務める。また、2017年にはアウトサイダー・アートの大規模展覧会「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」を東京でキュレーションする。そのほか、さまざまな展覧会やアート・イベントのキュレーターを務める。2010年に長野県佐久市望月に移住し、2011年に「フェンバーガーハウス」を設立。以降、館長を務めながら合宿やワークショップをリードしている。このときから「ディープ・ルッキング」の実践を始め、深い鑑賞を促す「ひとり絵画鑑賞部屋」やグループで深い音楽鑑賞を行う「レコード・サンドウィッチ・クラブ」を開催する。また、この時期から自身でもロンドンのナショナル・ギャラリーや東京国立博物館の東洋館で深いアート観察を実践し、その強烈な可能性に目覚めていく。2016年には観察実践集団「ESTAR(SER)」の活動に加わり、アメリカとブラジルで行われた国際会議にも参加。また2018年夏には、アメリカ西海岸にあるカウンター・カルチャーの聖地エサレンで、アーティストのアンナ・ハルプリンがリードする最後の夏のワークショップに参加。そしてこの年から気候危機について研究しはじめ、2019年に地元・望月地域の市民運動グループ「MOACA」を仲間たちと設立。現在、地域や学校で気候危機や適応に関してのレクチャーとディスカッションを積極的に行っている。2021年、「ザワメキアート」展キュレーター。また、同年より多津衛民芸館理事を務めている。
2022年著書「DEEP LOOKING/ 想像力を蘇らせる深い観察のガイド」発売。
https://www.deeplooking.net